コラム

コレクトアイシス  ユーザー事例 ビジネスを飛躍させる品質検査への取り組み事例 岩岡印刷株式会社様

「シビアな教科書印刷の品質を担保」

​    CorrectEye SISが効果を上げる

 岩岡印刷株式会社(岩岡裕志社長)はジーティービーの印刷物検査装置『CorrectEye SIS(コレクトアイ シス)』を導入し、クライアントから厳しく品質が要求される教科書や学習参考書の印刷業務で大きな効果を上げている。

 同社は1929年、大阪市西区で創業し、教科書、学習参考書など教育に関する出版印刷を柱に事業を拡大してきた。1973年には千葉県野田市に東京工場を建設。早くから活版から電算写植機、そしてDTPを取り入れ、技術革新を繰り返しながら出版社をはじめとするクライアントの要求に応えている。

右から岩岡正喜取締役、伊藤浩二係長、須賀秀之執行役員

 従業員は約130名。大阪本社と東京支社に営業拠点を構える。大阪工場ではオフセット輪転機がA縦全判両面4色機2台、B縦半裁両面4色機2台、オフセット枚葉機が四六全判両面4色機(H-UV対応)、四六全判両面2色機、菊全判両面4色機(H-UV仕様)各1台が稼動。東京工場にはオフセット輪転機がA縦全判両面2色機1台、B縦半裁両面4色機2台、B横全判両面4色機1台(分割して2色機2台にて対応可)が設置されている。

 業務は小学校・中学校・高校の教科書と学習参考書のほか、月刊誌や週刊誌の定期刊行物の印刷。『教育』という人の成長に関わる分野のため、クライアントからの品質要求レベルは高い。このため同社では出版社の“間違いなく”“読みやすく”という想いを形にすべく、品質の向上と安定に向けた全品納本の体制づくりを徹底し続けている。

 同社取締役の岩岡正喜氏は「年々、品質要求が厳しくなってきています。隣の生徒と教科書の色が違う、汚れがあるという問題がSNSを通して広がるリスクもあります。だからこそ、最初の1部から最後の1部まで、安定した品質を担保することがお客様の大きな信頼、安心につながっていきます」と述べる。

 ジーティービーの印刷物検査装置『CorrectEye SIS』を導入する動機になったのは、本文を4色で印刷する小学生向けの辞典の印刷。仕上がりB6判、32ページ折りが40台、全1,200ページ以上、10万部という大きな仕事だった。約1ヵ月という長期に渡って、色・印字の品質を安定させて印刷し続ける必要があり、慎重な品質管理が求められる。辞典という性質上、細かい文字の再現性、傷や紙粉によるヌケにも気を使う。しかも、1年生から6年生まで6年間使われることを想定して作られるので、造本を含めて難易度が高い。

 印刷機にはインライン検査装置が装着されているものの、「徐々に堆積していく紙粉など、緩やかに変化していく不具合は検知できません。紙粉のパイリングによる文字カケなど細かい検査も難しく、刷版に最初から付いてしまったキズも見つけることができません。多くの紙を使用するので、パイリングしにくいインキや水を使ってもどうしても紙粉が堆積してしまいます。その検査を人手に頼ることもできません」(岩岡取締役)と、大きな課題があった。

 『CorrectEye SIS』はRIP後データと印刷物、OKシートと印刷物などを比較・照合し、紙面の不具合を検知するもので、刷り出し時の検査や印刷中の抜き取り検査をサポートする。紙面を読み取るスキャナーの解像度は300dpi、600dpiから選択。オフ輪の折り出しのように折られた印刷物でも強力吸着システムにより、広げて台に置くだけで、歪みなく平らにスキャンされ、高精度に読み取る。

 オフライン検査装置の導入に当たって、同社では多角的に検討した結果、菊全サイズの検査完了まで45秒というスピードも評価し、『CorrectEye SIS』の導入を決断。2017年8月、小学生向けの10万部の辞典の印刷から運用を開始し、現時点で重版を含めて紙面上のクレームはゼロとなっている。「大きな効果が出ました。かなり満足しています」(岩岡取締役)という成果により、2018年1月には2台目となる『Correct Eye SIS』が大阪本社で稼動を開始した。

​刷版の白地のキズなども認識

岩岡印刷東京工場で活躍するコレクトアイ・シス

 東京工場ではまず『CorrectEye SIS』でRIP済データと、刷り出し紙面の比較照合。印刷前に付いてしまった目視での認識が難しい刷版の白地のキズもここで判別する。これにより刷版上のキズが印刷中に徐々に広がり、他の絵柄や文字に影響することを防ぐことができる。

 また、印刷中はスキャニングしたOKシートをマスターとし、抜き取り紙面と比較照合する。細かいインキの跳ねや紙粉によるヌケ、刷版のキズなどを検査しながら刷了。刷了後は、刷了紙を検査し、問題がないことを確認してから次のジョブに移る。もし、刷了紙に不具合があれば、次のジョブでも同様の事故が出てしまう可能性があるためである。

 同社執行役員東京工場部長の須賀秀之氏は「キズを見つ

けるタイミングが早くなり、無駄な紙を使わなくなりました」と効果を強調する。教科書や学習参考書、辞典などの印刷用紙は生産数が少なく、すぐに調達できない場合もある。ひと折り分であればカバーすることができるかもしれないが、製本後に不具合が判明し、全数補刷になれば用紙が足りなくなる事態になりかねない。

 そうした大きなリスクを想定しながらの印刷作業は印刷機のオペレータの精神的な負担になる。検査装置の利用をはじめとする品質検査の体制作りが重要で、「オペレータの技量だけに任せるのではなく、会社としての環境整備が欠かせません」(岩岡取締役)。同社では印刷現場で校正、ベタ刷り、抜き取り、サンプリング、刷了後検査の手順を徹底している。『CorrectEye SIS』は、そこでも見抜くことが難しい不具合を見つけ、検査体制をうまく補完している。

 印刷機のオペレータは良品を印刷するという業務に集中することができ、結果的に不要な補刷にかかる時間やコストが削減され

る。「抜き取り時や刷了後にスキャニングするので、作業時間は多くなっていると思います。ただ、トータルで考えると効率は上がっています」(岩岡取締役)。ワンシーズンに複数回あった文字カケや汚れの社内不良がほぼゼロになり、補刷は確実に減った。『CorrectEye SIS』の検査結果は詳細な報告書として履歴が残る。不具合が発生した場合は社内で情報を共有化し、注意喚起を促すとともに、改善活動につなげて一層の品質向上に結び付けている。

 岩岡取締役は「教育分野の印刷に携わっているので、品質に関して全社員がこだわり、高いプライドを持って仕事に取り組んでいます。最初の1部から最後の10万部まで全数納本。製品をきちんと世の中に送り出すことが私たちの仕事です」と述べ、『CorrectEye SIS』への満足と期待を抱く。

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