10年無事故!のワークフロー
今やCTPも昔話
思い起こせば、紙版下からフィルム出力、フィルム出力からCTP。制作の環境もだれが悪いとは言わないが新しいシステムや、バージョンアップに振り回された僕の人生であった。フォントがOCF からCID、CID からオープンタイプへ、変わる度にお金が掛かり、どのプリンタにどのフォントが入っているのか分からない…ソフトもバージョンアップ
で互換がなくなるからと総入れ替え。愛用のMac もいつの間にかClassic と呼ばれ
ていた。今ではOS-X のintel Macしかありません…と言われ、どなたも困惑されて
いる最中ではありませんか。そんな中、私もさまざまな立ち上げに携わり、
一つだけ自信をもてる。それが「1Bit Tiff」ワークフローです。
CTPに移行できた理由?
校了後24 時間フィルム出しても終わらない…(それも2 台)それでCTP 化の話になります。ただし、フィルムで処理していたマスクしながらの二重焼き。これが移行の際の条件になる。諸事情からRIP 後の刷版での合成が必要でした。メーカーに相談したら、これができないって?
デジタルになったばかりにできないことも起きる? アナログでできていたのに、そんなことってあるの? 本末転倒とはこのことかと思ったものである。
そんな時の助け舟
人の紹介で、PAGE でたまたまAGFA ブースでデモを見る。主版に対して合成したい差し替え版をドラッグ、ドロップすると、「ピロピロ~」っと合成されたデータができ上がる。「これだよこれ!」その時の印象は、アナログの作業をそのままデジタルに移行を考えていたのがAGFA だったと思う。そのシステムのバックで動いていたのが、「1Bit Tiff 」でした。
RIP にデータを送ると、とにかく、印刷用の網点を作る。そこ
から解像度の変更などを行いプルーフ用のデータを作りインク
ジェット出力。それを校正、校了となる。だから、校了の出た
データは、印刷用・CTP 用の網点でであり、その後の工程での
文字化け、文字あふれ、画像の抜けなどのエラーも皆無である。
実は最終のフィルム検版をクライアントにお願いしていたよう
なものでした。そのころの一般的な工程は、制作でカラーコピ
ー用にRIP 処理。プルーフ用のRIP 処理。CTP 用のRIP処理。
RIP が変わる、メーカーも違う、導入時期によってフォント・
環境も変わる、だから、全部が全く同じに出力される保障はな
いですよね…これがDTP業界の永遠のテーマ?なるべく早めに
印刷用の網点にしておいて、そこからプルーフ、それを確認!
ここがポイント!網点になっていればフィルムと同じ。だからまさしく「デジタルフィルム!」。
でかい!重い!遅い!
今も1Bit TIFF と言うと、必ず言われる。「データがでかい!重い!遅い!」三重苦じゃあないんです。実は工程の調整をすると、印刷で早くほしいのは、1 折り分の刷り出し分で、後は、ちょろちょろと受け取ることができれば問題のないことが多い。さらに、今のインフラであれば、ほとんど問題はないのでは?
CTP化の前工程はできたものの?
保証付き、1Bit のTiff はできたものの、CTP(プレートセッタ&プレート)が従来のアナログプレートと比較され、フォトポリマープレートを選択、ほかにもさまざましがらみがあり、データを受け取った後は、メーカーの違うプレートセッタから出力の必要があったのである。前工程の制作からRIP 後、校了が出てデータ保障はされていても、受け取ったデータを大貼りし任意の数種類のプレートに焼かなければならない。こんな相談を持ち掛けられた外部コンサルスタッフは、ちょうどその時期に開催されたドイツの
drupa に、そんなツール探しの旅に出たのである。
ドイツで見つけたソフトは、何と「MADE IN JAPAN」
drupa に行った方はもちろん、話には聞いたことはあると思います、規模の大きさは世界一。東京ドーム何個分になるだろう?
そんな会場をそんなソフトを探して、探して…得体の知れない外人ばかりの会場の中、たどり着いたソフトBITHROUGH / PlatePlanner である。ブースに行くと窓口には日本人、ドイツで見つけた大貼りソフトは、何とMADE IN JAPAN であった。
慌てて帰ってすぐテスト
日本に持ち帰り、すぐさま検証。任意のプレートサイズの任意の位置に簡単に1Bit データを配置。
問題になっていた、1Bit データの2 重焼きも、アナログ植版機の機能をデジタル化したようなPlatePlanner はいとも簡単に処理をしてくれる。当然ながら、印刷機の仕様が変わるとプレートのサイズもアクセサリーも変わる。データを刷版で受け取った後、こんな面倒な作業があることを知ったのは随分後のことであった。
しかし、そんな面倒な作業も、BIT-THROUGH/PlatePlanner で簡単に処理、フィルム出力からCTP 移行。データを受け取った刷版での工程もスムーズに移行されたのである。これがCTP 化による工程短縮になり、今やそのフリーぺーパーはギネスにも載る発行部数を誇っている。それだけの作業量をこなしながらもう10 年以上、CTP 出力の工程でエラーは起こっていない。刷版・印刷の現場から、「夜中に電話!」なんてことはなく、下版後、週末も、安眠できるワークフローに感謝である。
今や時代はPDF。これからRIP もPDF プリントエンジンに移行していきます。そんな中間ファイルが主流の中、昔ながらのデジタルフィルム1Bit Tiff のワークフローも見直してみませんか。
社団法人日本印刷技術協会発行「プリンターズサークル」2007年7月号記事より転載
デジタルだからできる技
デジタルで負担の増えたオペレータ
アナログからデジタルへ、紙版下の制作からCTF(コンピュータto フィルム)へのデジタル化によりDTP が急速に普及しました。当初、DTP とは、DeskTop Publishing(デスク・トップ・パブリッシング)原稿入稿からレイアウトまでを机の上のコンピュータで処理することでしたが、現在ではDeskTop Prepress(デスク・トップ・プリプレス)と変わり、印刷の前工程までをコンピュータで処理してしまうといった意味になっています。さらにオンデマンドまでを意味してDeskTopPress(デスク・トップ・プレス)とまで変わってきました。
これらのデジタル化により、従来の写植~製版(レタッチ)~刷版までの
知識が今のDTP オペレータに必要になってきています。かつては、それぞ
れが職人さんのノウハウだったこと。しかし、いきなりデジタルでできま
す、やりなさい。と言われても……さらにこれからは、JDF にMIS、印刷
や折り・製本までの知識が必要になってきます。もう訳が分からないのが
正直なところではありませんか?
しかしこの10 年、DTP・CTP 化により工程・納期の短縮、印刷の品質はそ
れだけで格段に向上しています。人を介在する作業が少なくなりロス・ミ
スが少なくなったこと。プレートに直接印字することで網点はシャープに、
見当精度も良くなり、印刷の品質は上がりました。ただ、それらメーカー
のワークフローに合わせたデジタル化は、昔アナログで効率良く作業され
ていたこと、デジタルだからこそできるはずである効率化は追求されてい
ません。
デジタルになってできなくなったこと?
アナログの写植の時代には、組版の文字へのこだわり。製版では店舗差し替えや、加減焼き(フィルム上のマスク2 重・3 重焼き)など、印刷で仕上がりを良くするためやトラブル回避のためにいろいろな工夫がされていました。昔は製版で簡単にできていたことが、デジタルになったころから逆に手間が増えたり、できないとされていることが実は増えています。修正が入ったり再版になった時のために、必ず元のデータから正しく直しましょうという理由もあります。ただRIP 処理をした後は、データを修正できない。してはいけない。知らないだけで、デジタルに変わって不便になっていませんか?1Bit はアプリケーション・OS・システムに依存しません。
これからはMac もintel OS-X です。アプリケーションもアドビは既にCS3。
でもまだQuark 使っていませんか? InDesign は大丈夫?
これでPDF プリントエンジンまで出てきたら……過去のデータは残ってい
ても、再版になった時に100%前回と同じ出力・保障はできません。
もしかて、昔の環境を残しておかないと出力ができない? 出力博物館が
できそうな話です。
その上、Windows Vista はJIS2004 に文字コードが変わります。Vista で
入力した正しいとされる文字は今のプリンタでちゃんと出力できるでしょう
か?だからこそ、システムやアプリケーション、OSに影響されない1Bit Tiff
を見直してみませんか?工程上、なるべく早く網点化(RIP 処理)、それを
出力、確認・校正すれば、後の工程は保証付きです。外注先への下版データ
も同じこと、渡す側と受け取る側のバージョン違いで悩む必要も、もうなく
なります。
デジタルだからできる技(Bit-Through)
デジタルの進歩って知られていないだけですごいんです。昔のストリップ修正をデジタルでやると、エリアを選択してコピー~ペースト、グリグリっと位置合わせすれば、4C 一緒にやってくれる。フィルムでは無理だった平網上の文字の修正など、手品のようにできちゃいます。同じくエリアを選択して網点を加減修正。印刷時、面付けの対向面の影響による色合わせにも対応できます。1Bit データをホットホルダに入れると文字・ラインと画像・平網を別々に認識、文字に影響を与えず画像だけのドットゲインを補正できます。1Bit を8Bit にして、任意の解像度でJPEG で圧縮。メール添付でアプリケーション・OS 関係なく確認できる。これで校了がもらえたら、校正の工程もかなり短縮できませんか? データ容量も思っているよりも軽くなります。1Bit の確実性はISO9001 の自工程保障にもつながります。1Bit だからできる技を見直してみましょう。BIT-THROUGH は、画面での確認・プルーフ・ドットゲイン補正・見当ズレ補正をホットホルダにデータを入れるだけ、現状のワークフローは変えずに運用できます。
QuickViewer / 印刷確認用ビュアー
通常のソフトでは開けない分版された4ファイルのデータ、サイズの大きな画像などを表示、内容の確認ができます。ノセ・ヌキもここで確認。
ProofMaker / プルーフ画像生成
4ファイルの1BitTiff画像を重ねて8Bitのコンポジット画像を生成、プルーフ用の画像を作ります。RIP後のデータを任意の解像度、トーンカーブで補正、JPEGで保存できるので、簡易シミュレーションや校正用データの配信もできます。
HotPrint / 自動プリント
Windowsからプリンタに対してTiffやJPEGの画像をHotFolderで自動プリントします。1BitTiffデータ受けの簡易校正に使用できます。
StripEditor / ストリップ修正
1BitTiff画像をまとめて表示、コピー・ペーストの感覚で簡単に編集できます。画像の切り貼りによる文字修正や、エリアを選択して、加減補正が可能です。
DotAdjuster / ドットゲイン補正
複数の印刷機のコンディションに合わせて、網点の調子をトーンカーブで補正、CTP・インキ・印刷機の違いをドットゲインの補正によりコントロールします。1BitTiffデータをホットフォルダに投げ入れると自動的に修正データを作成。印刷機ごとに管理、作業を自動化します。
DLAdjuster / ドットゲイン補正
網点データを画像と文字とを別々に判別、ドットゲインの補正を行います。文字の品質は保ちながら、画像だけの階調を変更できます。
FanoutCorrector / 見当ズレ補正
気温・湿度など、用紙の伸縮による影響を修正、1BitTiffデータを直接変更・補正できます。スリッターなど、ミシン目の版の出力の際、用紙の伸縮の傾向に合わせ補正が可能です。
社団法人日本印刷技術協会発行「プリンターズサークル」2007年8月号記事より転載
印刷の標準化・品質保証
ドットゲイン補正による色調補正(Dot Planning 印刷標準化)
アナログからデジタルへ、紙版下の制作からDTP へ、そしてCTF(コンピュータto フィルム)へのデジタル化。さらにCTP(コンピュータtoプレート)へのデジタル化により、印刷品質は格段に向上して来ました。
Japan Color も浸透し、CMS・DDCP の技術、品質も上がっていま
す。ただし、Japan Color に印刷品質を合わせようと考えた時、そ
の答えはありますか?
実は、ここ数年のデジタル化による品質の向上の裏で、永遠のテー
マでもある印刷の標準化はできていません。
印刷機ごとのコンディションの差やドットゲインの違いによる色調
の違いは解消されていません。ISO9001 の品質保証、今後、印刷の
色調面の品質保証をするのには、自社の印刷機のコンディションの
把握、輪転印刷機、枚葉印刷機、平台校正機のコンディションの把
握、そこから、それぞれの色調を合わせる方法を把握することが必
要であり、それが印刷標準化、品質の向上・品質保証につながりま
す。色校正を取ったけれど本番の印刷で色が合わない。印刷機によ
ってドットゲインの違いは分かっていても、RIP の処理を行う時に
は、工程が分からないのでLUT カーブでは対応できないなど、今で
も解消されていないことは多いと思います。
ヒント「網点/メカニカルドットゲイン」
印刷の品質を考えた時、濃度とドットゲインが基準になります。現在はそれに色差。印刷の状態の判定を行うのに、濃度、色差が基本になりますが、そこから、印刷(CTP)へのフィードバックは難しくありませんか?そこで調整・補正が可能なのは「網点」です。
印刷のドットゲインをメカニカルドットゲインで把握することが近道。「データ→プレート→印刷」までを、それぞれの網点(面積)を把握できれば、的確にRIP のLUT カーブで補正することができ、またその後の、プレート出力時に印刷機に合わせた補正を行い、標準化が可能です。
メカニカルドットゲインは何で計る?
もともとドットを面積で計る計測器はプレートを測るために刷版では使われていることは多くありました。現在販売されている最新のプレートの計測器は印刷物(紙)を計測する機能が追加され
ています。
今まで調べられなかった印刷物のメカニカルドットゲイン(面積)を的確に計測できます。濃度計でのオプティカルドットゲインでは判断できなかった線数の計測もできるようになりました。RIP メーカーによっては、Y版だけ線数が違うことがあるんですよ。
1Bitになった網点の補正?
ドットゲイン補正は、BIT-THROUGH シリーズのDot Adjuster で行います。今までは、画像も文字も全体に補正をしましたが、DL Adjuster で画像と文字を別々に認識、文字の品質は保ちながら画像だけの階調を補正できるようになりました。エリアを指定して部分的な補正を行う時には、StripEditor で処理を行います。調子加減はトーンカーブ調整と詳細設定が各色ごとに設定できます。
メカニカルドットゲインで標準化
計測のポイントを含めたチャートを印刷。印刷物のドットゲインを面積計測により把握を行います。印刷機の現状把握を物理ドットゲイン、数値で行い標準となる条件・印刷を決めます。ほかの印刷の結果をDot Adjuster へ反映して、ターゲットに合わせた補正を行います。本機の標準が決まったところで、枚葉印刷機・平台校正機のデータ補正。それからモニターのCMS を行うことがトータルな意味での印刷CMS になり、標準化を行うことができるわけです。
濃度と色差で品質管理
標準化のためのテストチャートには見当・ベタ濃度・ドットゲイン・コントラスト・スラー・ダブり・ゴーストなど、印刷品質の管理項目を入れます。継続して品質の管理を行うには、UGRA/FOGRA Media Wedge 2.0 を使用します。新聞印刷専用のターゲットでは Ugra/FOGRA MiniTargetを大手新聞社でも採用し、天気予報欄の横に入れて、品質の管理が行われています。
印刷の標準化・品質保証
印刷機の違う印刷物の標準化を行い、それぞれ色調を合わせてトータルにCMS 。濃度・色差の計測により刷り出しを管理。そして経時変化を管理してクライアントに提示することがこれから求められる品質保証ではないでしょうか。
DLAdjuster・DotAdjuster / ドットゲイン補正
複数の印刷機のコンディションに合わせて、網点の調子をトーンカーブで補正、CTP・インキ・印刷機の違いをドットゲインの補正によりコントロールします。DL Adjuster は網点データを画像と文字別々に判別、ドットゲイン補正を行います。文字の品質は保ちながら、画像だけの階調を補正。逆に新聞印刷では文字だけを太らせることができます。
StripEditor / ストリップ修正
分版された1BitTif f 画像をまとめて開き、カラーで表示、編集できます。画像の切り貼りによる文字修正、エリアを選択して、加減焼きができます。面付け後の対向面の影響も補正できます。
ProofMaker / プルーフ画像生成
分版された1BitTiff 画像を重ねて8Bit のコンポジット画像を生成し、プルーフ用の画像を生成します。プルーフ用だけではなく、RIP 後のデータに任意の解像度、トーンカーブを掛けられるので、新聞・フリーペーパーなど用紙の簡易シミュレーションや校正用データの配信もできます。
FanoutCorrector / 見当ズレ補正
気温・湿度など、用紙の伸縮による影響を修正、1BitTif f データを直接変更・補正できます。スリッターなど、ミシン目の版の出力の際、用紙の伸縮の傾向に合わせ補正が可能です。
BIT-THROUGHは、画面での確認・プルーフ・ドットゲイン補正・見当ズレ補正をホットフォルダの運用で、現状のワークフローを変えずに運用できます。
社団法人日本印刷技術協会発行「プリンターズサークル」2007年9月号記事より転載
1BitTiff for パッケージ・殖版・大貼り
アナログからデジタルへ、紙版下の制作からDTP へ、そしてCTF(コンピュータto フィルム)へのデジタル化。さらにCTP( コンピュータto プレート)へのデジタル化により、印刷品質は格段に向上してきました。
デジタルフィルム(網点データ)などと言いながらいつの日か「フィルム」も死語になってしまいそう。PDF の普及によりデータの取り回しでも1Bit と聞くことは少なくなっています。それでも1Bit Tif f(デジタルフィルム)を薦めたいのは、DTP からCTP までの出力エラー・原因不明のトラブルの話はなくなっていないから。今、検版・検査システムが注目されているのはそれが理由ではないでしょうか。やはり網点の取り回しが一番確実です。
PDFは便利だけれど…
PDF は確かに便利。アプリケーション・OS に関係なくデータを人に送ったりする時には欠かせません。でもPDF の訳って、Por table Document Format「持ち運びに便利な文書形式」です。それって印刷用に使うフォーマットとしてはちょっと無理があるような気がしませんか? PS もPDFも中間ファイル、中間ファイルでデータ下版、だけど受け取ったデータに保障がない?
正直、アプリケーションがバージョンアップ、またRIP もPS2 からPS3 に変わりました。と言っても、グラデーションが出ないとか、エラーっていっぱいありましたよね。
99%大丈夫。と言われても、毎週100 版作られるフリーペーパーだったら、毎週1 版は事故になるってこと? 多分、99.…と言うんでしょうけど、コンピュータが処理してデジタルのデータを作るのに100%でないってことがそもそも納得できません…。PS だから、PDF だからしょうがない? それでよいんでしょうか? そんな可能性があるのなら、今更ながらメーカーさんとの雑
談で出る、確実に取り回しのできる1Bit Tiff のワークフローを担いでくれたら~なんて愚痴ってし
まいます。
重くても、送るのに時間は掛かっても、ウサギと亀…? 品質保証を
問うのであれば「急がば回れ」ではないでしょうか。「RIP でエラー
になりました」「検版で気が付きませんでした」の言い訳は、未然の
防止もできないし、再発防止の対応も言い訳のようにしかなりません。
それでも印刷関連に携わる人間としては、各社PDF プリントエンジン
の開発では、「 Perfect Document Format 」を追求してほしいとこ
ろです。
そんな話をしながらも、もう一度1BitTiff for パッケージ・殖版・大貼りの薦め
CTP の運用で以前であれば製版・集版・刷版と呼ばれるそれぞれの担当がいた作業、今はDTP からCTP の出力ができてしまうので、その作業を制作がやっていたり、刷版でやっていたり、意外と出力担当として全部やって、正直大変な思いをされていると思います。
クライアントから校了の出るのは単ページ。もしくはページ物でも、その後に、面付け、大貼り、殖版、付き合せ、なかには店名差替えや、テンプレートの運用など、特殊な経験・知識を必要とする作業が発生します。
パッケージなどでは、小さなサイズの物をひたすら印刷サイズに詰め込みます、これまた、DTP で大きなドキュメントに詰め込むか、それともメーカーのシステムで処理をするかが普通だと思います。しかし、ここでまたいっぱい貼ったドキュメントを出力するか、各メーカーのシステムで作業する場合、アウトラインPDF にしてからいっぱい貼って出力するか、どちらにしてもいっぱい貼り込んでからRIP に送り網点にします。これまたエラーが起こる原因にもなるんです。
イラストレータデータのパスの方向が変わったりそれを処理する時のエラーなのか、向きが変わっただけで出力結果が変わることがあります。やはりRIP 処理後に校正・検査を行わないと100%保障はありません、それも張り込んだだけ全部ですよ!
そこでパッケージでも校了の出た単品のドキュメントはRIP 処理して
網点にしてから校正確認、指定した面に必要なだけ貼り込む。これは
昔のフィルムと一緒で後の工程は保障付き!だから網点 / デジタルフ
ィルム。デジタルになった分、アナログのころの貼り間違えなどはあ
りません。こんな確実なワークフロー。大きな声では言えませんが、
検版・検査ツールが売れなくなってしまいます。
ISO19001 で問われる品質保証。また、FDA 21CFR(アメリカ食品
医薬品局の食品と薬に関する規制)の対応も医薬品・食料品メーカー
は検査の記録・管理が問われています。前工程で確実な工程を考える
か、後工程で100%検査するのかが、今後の品質保証のテーマです!
GTBの二つの1Bit Tiff版面設計ツール
PlatePlanner / 刷版設計
印刷機の刷版サイズに合わせての大貼りや殖版、付け合せ、アクセサリの配置などの版面設計を行えます。フィルムと同様に重ねて配置できるので店名差し替えも容易に行えます。一度作成したレイアウトファイルをテンプレートとしても活用できるので、1BitTiff の原稿のみを変更するだけで、簡単で確実に運用できます。単体で刷版データ出力まで行えます。
PlatePlanner for Package / パッケージ用版面設計
紙器パッケージ向けの版面設計ツールです。CAD データとの連携により、原稿の1BitTIFF 画像を指定するだけで指定した面に貼り付けることができます。ステップ数などの数値も再RIP も全く必要ないので、ミスのない安心な刷版を実現できます。カット線や特色面も含めたプルーフ画像も自動的に出力できます。
中山良介
1960年6月生まれ。Macが日本に上陸する前の時代の「いずみや」に入社(その後Tooに社名変更)暗室で今は無き、縦型製版カメラで紙焼きを撮る・・・その後(株)ぱどに転職。フリーペーパーの営業を3年ほど経験するが、DTP内製の流れで制作・出力に移動。その時にアナログ製版からDTPへ、始めはDTPと言ってもフィルム出力であった。締め切り後、組版、フィルムセッター2台で24時間出力しても間に合わなくなりCTP化。その時に「化かされないDTP」1BitTiffワークフローを構築。それが(株)GTBのBit-Throughとの出会いである。
そして次は印刷の(株)ウイル・コーポレーション(現:(株)ウィルコ)に転職。前から後までの工程の効率化と色調コントロールに従事。そんな経歴を生かして(株)GTBでBitThroughを使った印刷コンサルティングなど提案し、現在はQuadTechで輪転印刷機のカラーコントロールシステムコンサルタントと、今でも印刷から足を洗えない。
趣味はシーカヤック。みなとみらいのシーカヤック教室のインストラクターをしながら、会場まで漕いで行く為に通勤カヤッカーと呼ばれ、昨年は横浜の海を1500km走破(?)。週明けは色差計で日焼けした腕をLabで計測する・・・