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コラム

コレクトアイシス ユーザー事例 大日本パックェージ様

大日本パックェージ

  【CorrectEye SIS】導入 

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品質基準策定に活用へ 12ミクロンのpetフィルムも非接触で検査

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「簡単にしわを伸ばせ、データ化の再現性にも優れます」と使いやすさを評価

グラビア印刷の大日本パックェージ(株)(本社工場/埼玉県越谷市、田口薫社長)は6月、(株)ジーティービーの非接触スキャナー入力印刷物検査機「CorrectEye SIS(コレクトアイ・シス)」を本社工場に導入した。非接触タイプのためゴミなどが付かず、紙メディアだけでなく12㍈の薄さのpetフィルムでも簡単にしわを伸ばして検査できる機能などが導入のポイントとなったようだ。データを蓄積しながら検討を重ね、将来的な品質基準の策定に向けても同機を活用していく考えだ。

印刷不良の流出防止へ~検査範囲拡大による目視検査の限界をカバー

同社では、品質に特に厳しいとされる医薬品業界などからも多くの印刷物を受注している。その上、昨今では目視検査範囲が拡大し、細かく丁寧に見ることが難しい状況が続いており、同社でも製版工程で抜けた文字を印刷スタート前の検査で発見することができず、外部流出させてしまった経験もあったという。

昨今の医薬品業界からの受注傾向について、同社・営業部の須藤充部長は「化粧品や医薬関係の文字品質に関しては、細文字の表示量が多くなり、文字抜けや潰れの発見がとくに難しくなってきている」と説明する。医薬品、医薬部外品、化粧品には表示義務があり、成分表示や注意事項など法令、告示、通知などにより個別に詳細な定めがあるという。これらの背景から、印刷会社に求められる要求が高くなり、少しの印刷不良でも了承が取れなくなってきた現実があるようだ。「基本的に校正は製作工程で必ず行われ、クライアントから校了をもらい、製版、印刷と流れるが、製版工程で不具合を出すと、製品になるま

で気がつかない状態が近年、業界でも問題になっている」(須藤部長)印刷会社が校正に関与していなかったとしても、間違ったものを印刷したということで信頼を失うことになるため、同社でもその問題を解決できる検査装置を探していたようだ。

「当社の場合、印刷立ち会い時に文字校正を行うクライアントが多いが、最大1300ミリ×788ミリの印刷原紙に多面に付いているアナログな印刷を瞬時にデータ化し、青焼き1面のデータと自動照合を行う。クライアントの不安を取り除くことを優先的に考え、検査機の導入を検討した」(須藤部長)そして、その問題を解決できると判断した検査機が、ジーティービーの非接触スキャナー入力印刷物検査機「コレクトアイ・シス」であったという。本社工場に6月に導入し、クライアントの不安を取り除く検査機として活躍している。

印刷不良の流出防止へ~検査範囲拡大による目視検査の限界をカバー

非接触スキャナー入力印刷物検査機「コレクトアイ・シス」は、スキャナーのカメラが印刷物と非接触で横に移動するため、ゴミが付着するなどの心配がない。また、薄いフィルムはしわになりやすいが、実際にコレクトアイ・シスを使用している品質管理部 品質設計課の西山寿一課長代理は「フラットベッドに印刷物を置くと、フィルムのような薄い素材でもバキュームで吸い付けるので、しわを簡単に伸ばすことができる。データ化の再現性にも優れ、12㍈の薄さのpetフィルムでも検査できることは大きなポイント」と、使いやすさと薄いフィルムでも検査できる特性を高く評価している。

また、印刷特有のアナログ的な再現とデジタルデータの違いを自動で判別し、間違ったエラー表示が出にくいように対策が打たれているところも導入のポイントとなったようだ。

 

同社の印刷機には、全12機のインライン検査装置が搭載されている。しかし、インライン検査装置は前の柄との整合性を確認しながら検査するものであるため、最初からないものは柄として認識してしまい、製版工程で抜けた文字などの間違いを見つけることはできない。「印刷のスタート段階で間違いを見つけることが重要である。インライン検査で見つけることができない各印刷機のサンプル検査を1台の『コレクトアイ・シス』でカバーできることは、今後のバージョンアップの費用のことなどを考えてもメリットは大きいと考えている」(須藤部長)

さらに、同社では将来的にグラビア印刷の品質基準を策定することを目標にしているようで、須藤部長は「そのための検査機としても活用していきたい」と、同機への期待は大きい。西山氏は、「検査基準の設定値をどのくらいにするのかを、今後、データを取りながら検討していきたい。基準値を決めることができれば、良品と不良品の判断をより明確にでき、無駄な製品を作らなくてすむようになる。ロスをなくす事が理想である」と品質基準、品質管理に活用していく考えだ。

今後について須藤部長は「表示義務の文字数は多くなる一方、作業者側の高齢化は進み、ますます目視での発見が難しい時代になる。また、グローバル化が進み、英語や中国語など多言語の文字再現が求められ、読めない文字の照合も求められてくる」と話しており、高齢化・グローバル化が進む将来、「コレクトアイ・シス」は時代が求める品質標準化の助けになると期待している。

大日本パックェージ株式会社

様々な環境配慮活動を展開〜グラビア印刷業界では国内初の「全熱交換器」を導入

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須藤部長

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西山氏

同社は東京オリンピックが開催された1964年に創業し、今年で55期を迎える。創業から主にフィルム包装・紙用のグラビア印刷を行っているが、同社ではグラビア印刷業界が抱える課題を解決するための様々な環境配慮活動を展開しており、本社工場、埼玉工場(埼玉県北葛飾郡)の両工場ともに一般社団法人 日本印刷産業連合会(日印産連)の「グリーンプリンティング認定工場」となっている。また、グラビア印刷業界として国内初の「全熱交換器」を導入。これにより工場内のガスエネルギー60%以上、電力15%以上を削減している。これらの取り組みが評価され、日印産連から「環境優良工場」の表彰も受けている。このため、JICA(国際協力機構)の取り組みにより、環境設備やVOC脱臭装置などの見学に毎年世界中の人が訪れるようだ。昨年の秋には、新台のセクショナル10色機を導入し、生産性と品質を飛躍的に向上させた。同機を含め、現在は7台のグラビア印刷機が稼働している。

また、BCP(事業継続計画)の観点では、(株)ニチボウの「ファイアイレイス」消化設備を昨年の秋に導入した。これはチューブが火災を探知し、破裂すると消化剤が出るというもの。さらに、今年に入ってから導入した版やドクターホルダーのインキを洗浄するフレキソウォッシュ社の全自動洗浄機は、先進的な作業環境改善の取り組みとして注目されている。2014年からグループ企業になった日本パッケージング(株)(本社/埼玉県幸手市)では、12色・11色を含めたグラビア印刷機4台、ドライラミネーター2台、ノンソルベントラミネーター1台が稼働。また、同様にグループ企業のベルパック(株)(東京都千代田区)では開発関係の取り組みを行っており、第56回2017ジャパンパッケージングコンペティションにおいて「エアークッションパッケージ ストーク」が経済産業省製造局長賞を受賞し、ワイン袋などの販売を強化している。

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